資産運用

今さら聞けない株について-株って何?株は怖い・危険なイメージがあるけど実際は?

株と聞くと皆さんはどんなイメージを持つでしょうか。

楽して大儲けできるものと思う人がいる一方で失敗すると借金まみれになってしまう怖いものと思う人もいるのではないでしょうか。

私は株はギャンブルのようなもので、失敗すると何百万もの借金を背負うことになると思っていました。

しかし実際に自分で調べてみると今までのイメージとは違うことがわかってきました。

お金のことについては学校では教えてくれません。
だからこそ自分達で学んでいくことが大事だと思っています。
私も30代に入ってから学び始めたためまだまだ未熟です。
皆さんと一緒に金融リテラシー(お金と上手に付き合うために必要な知識や判断力)を高めていきたいと思います。

今回は株について、なるべく分かりやすくご紹介したいと思います。

そもそも株とは?

株とは企業が事業に必要な資金などを調達するために、発行するもの(有価証券)のことです。
例えば新しいサービスを始める時など手元のお金だけでは足りない場合におこなう手段のひとつになります。

株を買うことは、その株を発行した会社のオーナーの1人になることを意味します。

株で儲ける仕組みについて(売買方法と配当、優待券)

株で利益を得る(儲ける)方法は株の売買により利益(キャピタルゲイン)を得るか株を保有することで定期的に配当金を受け取るもしくは株主優待券を受け取るかの3つの方法があります。

売買による利益

売買による利益とは株の価値(株価)が安いときに買い、高いときに売り利益を出すことです。
この時の利益をキャピタルゲインといいます。

例:10万で買った株を30万で売れば20万のキャピタルゲインを得ることができます。

株価は買いたい人が多いほど高くなります。
ヒット商品がでて会社の業績が良かったり、配当金が多い株は欲しい人が多いため株価が高くなります。

配当金による利益

株を買った人に会社の利益の一部が配当金として支払われます。
配当金による利益をインカムゲインといいます。

配当金額は持っている株の枚数によって変わり、持っている株が多いほど配当金も多くなります。

配当金は会社の利益の一部のため、会社の業績や戦略によって増えたり(増配)、減ったり(減配)、復活したり、無くなったり(無配)します。

優待券による利益

株主優待券は企業が株主に対して物やサービスを提供する日本特有の制度です。

配当金と同じインカムゲインの一種といえます。

株主優待券の内容は、自社の商品や自社や系列店で使える割引券や無料券などがあります。
また中には自社商品とは関係ないカタログギフトやクオカードなどを提供する会社もあります。

企業は長期保有する人を増やすために株主優待券の内容を魅力的にしています。
しかし、全ての企業が優待券を提供しているわけではありません

株主優待券の有無や内容は証券会社のウェブサイトからみることができます。

優待券にはそれぞれ権利確定日が設定されています。
権利確定日の市場が閉じたときに株を保有している人が、優待券を受け取る権利を得ることができます。
確定日の前に売ったり、市場が閉まる前に売った場合は優待券を受け取る権利を得ることはできません。

例:権利確定日が7/15

7/14までに売却→権利なし
7/15に売却→権利なし
7/15の市場終了まで保有→権利あり
7/16に売却→権利あり

資金が減る理由

株は株価の変動により元本割れ(購入した時の金額を下回ること)の可能性があります。

株価が変動する理由は主に次の2点があげられます。

持っている株の会社の業績が悪化

会社の業績が悪化した場合、配当金が減配されたり、優待券がなくなることがあります。

配当金や優待券を得ることが目的の人達は、その会社の株を持っていても予想していた利益が得られないため、株を売り始めます。
株を売る人が増えると株価が下がります。

株価が下がり始めると、売買で利益を得ようとしていた人達も損をしないように売り始め、さらに株価が下がってしまいます。

その結果、元本割れをおこして損をする人がでてきてしまいます。

資産運用を100%他人任せ

証券会社やSNSの有名な著名人などに勧められた商品・銘柄を調べもせずに買っていた場合、知らない間に資金が減る可能性が高くなります

他人の意見を鵜吞みにせずに、勧められた商品がどんな会社の株なのかは自分で調べて把握する必要があります。

投資は自己責任です。たとえ損をしても証券会社や勧めてきた人達は助けてくれません。
だからこそ、どんな商品にどのくらい投資をするのかは自分で調べた上で必ずおこないましょう。

株で破産する?

株が怖い・危険というイメージを持っている人は、一度はテレビなどで株が原因で借金をしてしまった人をみたことがあるのではないでしょうか。

私も小さいときにテレビで、株の取引で損をして何百万もの借金を背負った人の映像を見て「株は失敗すると借金を背負う」というイメージを長い間持ち、株は危険なものと思っていました。

しかし、お金について勉強していくにしたがって、そのイメージが間違っていることに気がつきました。

通常の株の取引では、たとえ持っている株の会社が倒産しても資金が0になるだけで、借金を負うことはありません。

借金を負うほどのリスクが発生するのは信用取引(レバレッジ)をした場合です。

信用取引(レバレッジ)

信用取引(レバレッジ)とは少額の資金で大きな金額の取引をすることです。
国内では最大25倍のレバレッジをかけての取引ができます。(2021年7月時点)

例:10倍のレバレッジで、元手の資金が5万

①:通常の取引で利益5万
→10倍のレバレッジの場合50万の利益になる
②:通常の取引で損失5万
→10倍のレバレッジの場合50万の損失になる

①では10倍のレバレッジをかけて取引をしていれば、通常より45万多く利益を得ることができます。

反対に②では、10倍のレバレッジで取引をした場合、通常より45万多く損失したことになります。
元手が5万のため、通常の取引では元手が0になるだけで済みますが、10倍のレバレッジで取引をした場合、45万のマイナスになります。
この45万は後日、証券会社へ払わなければいけません。(証券会社からの借金と同じようなものです。)

このようにレバレッジをかけての取引は上手くいけば大きな利益を得ることができますが、失敗した場合、多額の借金を負う危険性があります。
対策として損切りなどの方法もありますが、感情のコントロールでき冷静に物事を判断できる人以外は手を出さない方が良いでしょう。

大事なのはリスク許容度を知ること

リスク許容度とは、投資をする人が受け入れることのできるリスクの範囲のことです。
具体的には「どのくらいまでなら元本が減っても気持ち的に耐えることができるか」ということです。
このリスク許容度は当然ですが、人のよって違ってきます。

リスクとリターンは表裏一体です。
リターンが高いものはリスクも高く、リスクが低いものはリターンが低いのです。

例えば上記の信用取引(レバレッジ)は損失も利益も大きいため、リスクもリターンも高いといえます。
逆に普通預金は現金を銀行に預けているため、リスクもリターンも低いといえます。

利益を得るために自分のリスク許容度を超えた高いリスクをとると、四六時中そのことが頭から離れず日常生活に支障をきたします。

しかし、リスク許容度の中での投資ならば日常生活に支障をきたす危険性も低く、利益を得ることもできます。

そのため、株などの投資をする上で大事なのは自分のリスク許容度を知ることになります。

手軽にリスク許容度を確認するには下記のサイトがおすすです。

あなたのリスク許容度診断テスト(リンク先:一般社団法人 全国銀行協会)

リスク許容度診断シート・PDF(リンク先:明治安田生命 portfolio-04.pdf)

まとめ

株とは企業が事業に必要な資金などを調達するために、発行するもの(有価証券)のことです。
株を買うことは、その株を発行した会社のオーナーの1人になることと同じです。

株で利益を得る方法として売買・配当・優待券の3つがあります。

株で損をするのは持っている株の会社の業績が悪化するか自分がどんな会社に投資しているのか把握していない場合です。

株で破産するほど損をするのは信用取引(レバレッジ)をしている人です。
借金を負うリスクを取れない人は手を出さないようにしましょう。

株をやる(投資をする)上で大事なのは自分のリスク許容度を知ることです。
投資に興味がある人はまずは自分のリスク許容度を確認してみましょう。

今回は今さら聞けない株についてでした。

私自身お金の勉強はまだまだこれからです。
これから学ぶ人達と一緒に金融リテラシーを高めていきたいと思います。
今回の記事が皆さんの金融リテラシーを高めるのに、少しでも役にたてたら嬉しいです。