健康

良質な睡眠をとるための鍵は深部体温にある-熟睡するための入浴方法について

現代社会では多くの人が寝つきが悪い、朝スッキリ起きれないなど睡眠についての悩みを持っています。

最近では「睡眠負債」という言葉が話題になるほどです。

しかし、良質な睡眠をとるために入浴を気にしている人はどのくらいいるでしょうか。

最近では普段からシャワーだけで入浴しない人が増えていますが、入浴はリラックス効果があるだけでなく、良質な睡を得ることにも深いつながりがあります。

今まで気にしてこなかった人は良質な睡眠のためにも、ぜひ今日から習慣を変えていきましょう。

この記事はこんな人におすすめ
  • よく眠れない人
  • 寝つきが悪い人
  • 朝スッキリと起きれない人
  • 眠りが浅い人

不眠症と寝不足(睡眠不足)の違い

不眠症と寝不足(睡眠不足)は同じように使われることもありますが、実は全く違います。

不眠症は寝たいのに寝られない状態で、寝不足は眠る時間が確保できずに寝ることが出来なかった状態のことです。

そもそも不眠症とは「長期的に夜間の不眠が続く」と「日中に精神や身体の不調を自覚して生活の質が下がる」ことの両方が認められた時に不眠症と診断されます。

具体的には、入眠障害(寝つきが悪い)や中途覚醒(途中で何度も起きる)、早期覚醒(毎日予定時間より早くにおきる)、熟睡障害(ぐっすり寝た満足感がない)などの睡眠問題が1ヵ月以上続き、日中に食欲低下や倦怠感、意欲低下などの不調が出現します。

不眠があったとしても、日中に上記のような症状がなく、元気に活動できていれば不眠症ではなく、寝不足(睡眠不足)と判断できるかと思います。

しかし、1ヵ月以上の睡眠不足が続く場合には早めに専門の病院を受診しましょう。

参考:不眠症|e-ヘルネット(リンク先:厚生労働省)

入浴が良質な睡眠に繋がる理由

深部体温をコントロールすることができる

深部体温と熟睡することには深い関係があります。

深部体温が低下することで、深い眠りのノンレム睡眠が増加すると言われています。

入浴することで深部体温を一時的に上げることができます。

一時的に上がった深部体温はその後通常の時よりも短時間で低下していきます。

しっかりと深部体温が低下することにより深い眠りを得ることができます。

足先や手先などの末端が暖まる

手足が冷たいままだと深部体温の低下が上手くいかず、深い眠りを得ることができません。

シャワーだけでは足先や手先などを温めることが難しいため、末端まで効果的に温めるには入浴が必要になります。

入浴すると末端の血管も拡張するので、末端まで効率良く温めることができます。

副交感神経が優位になる

昼間活動しているときには交感神経が優位になっていますが、眠るときには副交感神経が優位に切り替わります。

しかし、熟睡できていない人はこの切り替えが上手くできていないことが多くあります。

副交感神経はリラックスしているときにも優位になることが知られています。

そのため正しく入浴することでリラックス効果を得ることができ、副交感神経を優位にすることができます。

全身の血行が良くなる

お風呂に浸かると水圧の影響で血行が促進されます。

それにより老廃物などの疲労物質が回収され、疲れがとれやすくなり回復も早くなります。

また全身の血行促進は肩こりや腰痛、肌荒れにも効果があることが分かっています。

熟睡するためのポイント

入浴の温度と時間の目安

40℃のお湯に15分がベストです。

もちろんその日の体調により、調節してもらって構いません。

しかし温度は38~40℃、時間は15~20分の範囲で調節をしましょう。

40℃で15分浸かると深部体温は0.5℃上がることが分かっています。

深部体温が上がると入浴後、自律神経により体温を下げようとします。

就寝するベストタイミング

熟睡するためのベストなタイミングは、入浴して深部体温が上がった後平熱に戻り、さらに下がり始めるタイミングです。

具体的には入浴後汗が引いて、手足がポカポカの状態で就寝しましょう。

目安は入浴後2~3時間後です。

つくし
つくし
冬場など湯冷めしやすい人は入浴後1~2時間後には就寝するようにしましょう。

シャワーだけでは熟睡できない?

熟睡するためにシャワーだけではいけない理由は深部体温が上昇しないためです。

シャワーだけだと深部体温を十分上げることができません。

さらにお湯に浸かった時のようなリラックス効果は期待できず、副交感神経も優位になりにくいという問題もあります。

正しい入浴方法

入浴前に水分補給

入浴前の1杯の水分補給が大切になります。

入浴中は発汗するため、水分不足になる可能性があります。

お風呂に浸かってと血液の流れが良くなっても、水分不足だと血液の流れがイマイチになってしまいます。
特にお風呂から上がった時にめまいやふらつきがある人は水分不足により血圧が急上昇している可能性が高いです。

脱衣所の温度を上げる

入浴で暖まっても脱衣所が寒いとあっという間に体温が下がってしまいます。

また急激な体温の変化はヒートショックを引き起こす原因になります。

そのため特に冬場は暖房器具で脱衣所を温めるようにしましょう。

ヒートショックについては↓を参考にしてください。

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かけ湯をする

いきなりお湯につかるのではなく、まずはかけ湯をして体の温度を徐々に上げましょう。

なぜなら冷えた身体のままお湯に浸かると、血圧の急上昇を招くためです。

血圧の急上昇は血管を詰まらせたり、血管を破く危険性があります。

かけ湯をすることで血圧の急上昇を防ぐことができます。

つくし
つくし
かけ湯は、はじめは手や足から徐々に心臓付近にかけるようにしましょう。

髪を洗う

髪は軽くブラッシングしてからお湯(ぬるま湯)で洗い流すようにしましょう。

シャンプーは手で泡立ててから、指の腹を使って頭皮を揉むように洗います。

すすぐ時にはシャンプーが残らないように丁寧にすすぎましょう。
特に耳周辺は洗い残しが多くなりがちです。

リンスやコンディショナー、トリートメントは髪の保護が目的なので頭皮につける必要はありません。

頭皮にはつけないようにし、毛先まで髪全体にいきわたるようにします。

その後のすすぎはシャンプー同様、十分にすすぐ必要があります。
洗い残しは頭皮トラブルの元になるため、丁寧にすすいでください。

身体を洗う

汚れを落とそうとゴシゴシ洗うのはNGです。

必要な皮脂まで落としてしまう危険があります。

手のひらで泡立てて優しく洗いましょう。

すすぎは十分に行いましょう。
髪を洗った時のシャンプーやトリートメントなども身体についているため、十分に洗い流しましょう。

洗い残しは乾燥肌の原因になります。
乾燥肌でお悩みの方は↓を参考にしてください。

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入浴

上記で説明した通り、温度は38~40℃で時間は15~20分で入浴しましょう。

40℃がおすすめですが、心拍数が上がったり、呼吸が早くなるならあなたにとっては少し暑すぎるかもしれません。
1℃下げるだけでも感じ方が変わってきます。
38~40℃で自分に合った温度を見つけてください。

つくし
つくし
深部体温を上げるには、肩まで浸かる全身浴がおすすめです。

入浴後

身体をタオルで拭き、ボディクリームなどを塗って乾燥肌対策をしましょう。

その後パジャマなど寝るための身支度を整えましょう。

まとめ

今回は入浴と睡眠についてご紹介させてもらいました。

寝つきが悪い人は入浴しても深部体温が上がっていない可能性が高いです。

今回ご紹介した方法で深部体温を上げてから就寝するようにしてみてください。

入浴と睡眠は1セットで考えていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。それではまた。

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